| [00:03.720] |
このドラマはヘッドフォンを着用して聞いてください |
| [00:11.210] |
効果的に楽しむことができます |
| [00:27.950] |
ふー いい風 このお天気なら洗濯物もすぐに乾きますね |
| [00:36.750] |
後は シーツを洗えば 今日の洗い物は全部 |
| [00:42.610] |
お あら あそこにいるのは才人さん |
| [00:50.320] |
おはようございます 才人さん |
| [00:59.230] |
何をなさってるんですか こんなところで |
| [01:03.270] |
もしかして 私に会いに来てくださったとか なんて |
| [01:08.740] |
冗談です ちょっと調子に乗っちゃいましたね |
| [01:15.870] |
どうしたんですか 才人さん |
| [01:17.920] |
私の洗濯物の中に何か珍しものでも |
| [01:23.680] |
って わっ 才人さん ダメです それ 私の下着 |
| [01:28.780] |
かっ 返してください |
| [01:32.950] |
もう 才人さんたら ほしいならほしいって言ってくれれば |
| [01:38.130] |
こんな地味なのじゃなくて もっとかわいいのもあげるのに |
| [01:43.780] |
何でもありません |
| [01:46.250] |
それより 才人さん |
| [01:48.290] |
今日はとても無口なんですね |
| [01:51.270] |
何かあったんですか |
| [01:53.270] |
しかも なんだかぼっとしてたようだし |
| [01:56.840] |
少し休んでいきませんか |
| [01:59.330] |
はい ここで座ってください |
| [02:06.520] |
スリーディードラマ シエスタ篇 |
| [02:22.960] |
本当にいいお天気です |
| [02:25.680] |
こういう日に山や森を眺めていると |
| [02:28.860] |
故郷の懐かし景色を思い出すんですよね |
| [02:34.280] |
あっ そういえば |
| [02:35.550] |
才人さんの故郷はこことは全く違う風景だと |
| [02:39.330] |
言ってましたね |
| [02:40.930] |
でも いろいろな話を聞くと |
| [02:43.710] |
とても楽しそうなところです |
| [02:46.910] |
以前お話してくれた才人さんの世界での学校の話 |
| [02:51.800] |
そこでは 貴族とか平民とか そんな身分の違いなんてなくて |
| [02:56.760] |
みんな平等に学校を通ってるんですよね |
| [03:00.520] |
ちょっと羨ましいなあって思います |
| [03:03.810] |
思えば私も才人さんと同じ国の血を |
| [03:08.520] |
引いてるんでしたよね |
| [03:10.070] |
私のひいおじいちゃんがこの世界に来なければ |
| [03:14.270] |
もしかしたら |
| [03:15.080] |
今頃 才人さんと別の形でお会いしてたかもん |
| [03:25.910] |
もしも 私が才人さんと同じ世界で生まれていたらか |
| [03:32.490] |
そうしたら わたしたち |
| [03:33.920] |
今とは全く別の関係になっていたかもしれませんね |
| [03:45.060] |
学校での私は |
| [03:46.670] |
洗濯物ではなく先生に頼まれた本を山ほど抱えて |
| [03:51.270] |
廊下を歩いているんです |
| [03:53.470] |
そして 階段に差し掛かった時 |
| [04:01.090] |
重い やっぱり二度に分けて運ぶべきだったかしら |
| [04:07.270] |
これじゃ 荷物が多すぎで前は全然見えないわ |
| [04:24.920] |
あれ 私今階段から転げ落ちたのに でも全然痛くない |
| [04:34.000] |
それに 胸に何かが当たって |
| [04:40.330] |
ダメです そんなに動いたら |
| [04:43.330] |
って |
| [04:44.100] |
あっ すっ すっ すっ すみません |
| [04:48.030] |
わたしたら 気づかなくて |
| [04:49.870] |
あなたが私を受け止めてくれたんですね |
| [04:53.000] |
ありがとうございます |
| [04:54.940] |
おかげでけがをせずに済みました |
| [04:58.960] |
あっ そんな いいです 散らばった本 |
| [05:02.390] |
私一人で片付けますから |
| [05:05.630] |
二人で片づけの方が早い |
| [05:08.100] |
それはそうですけど |
| [05:11.460] |
ありがとうございます |
| [05:17.880] |
その時 |
| [05:18.990] |
階段から転げ落ちた私を受け止めてくれたのが |
| [05:22.250] |
才人さんでした |
| [05:24.840] |
その日から私はあなたのことが気になって気になって |
| [05:28.940] |
いつも後ろ姿を目で追うよってなるんです |
| [05:32.860] |
それで ついにある日 |
| [05:40.650] |
あのう その 才人さん |
| [05:45.190] |
先日のお礼にえっとお弁当を作ってきたんですが |
| [05:50.400] |
食べてくださいますか |
| [05:53.650] |
朝早く起きて作ったお弁当をやっとの思いで渡して |
| [05:58.310] |
二人でお昼を食べることになります |
| [06:09.720] |
はい どうぞ |
| [06:10.690] |
才人さんがどんなものを好きが分からなかったので |
| [06:14.140] |
一応いろいろ入れてきてたんです |
| [06:16.860] |
お口に合えばいいんですけど |
| [06:20.010] |
えっと |
| [06:21.440] |
こっちはタコさんウィンナー こっちは兎さんおにぎり |
| [06:24.230] |
後こっちはハンバーグに才人さんの顔描いてみました |
| [06:29.650] |
子供のお弁当みたい |
| [06:32.520] |
そうでしょうか |
| [06:34.140] |
私たら ついはしゃいでしまって |
| [06:36.920] |
ごめんなさい いやですよね こんなの |
| [06:40.550] |
えっ そうじゃない |
| [06:43.010] |
わたしがこれを作ってるところ想像すると |
| [06:46.880] |
かわいいですか |
| [06:48.910] |
そっ そんなこと言わないでください |
| [06:51.860] |
恥ずかしいですから |
| [06:54.270] |
それで 味の方はいかがですか |
| [06:57.760] |
美味しいでしょうか |
| [07:00.340] |
本当ですか よかった |
| [07:03.280] |
あっ 足りなければ私のも食べてください |
| [07:07.490] |
はい どうぞ あー |
| [07:14.100] |
何だか照れますね |
| [07:20.220] |
こっちのウィンナーも食べてください |
| [07:23.900] |
はい あー |
| [07:27.490] |
ああ ほっぺにご飯粒をついてますよ |
| [07:35.310] |
えっ すっ すみません 私たら変なこと |
| [07:40.930] |
あのう もしよろしければ |
| [07:44.530] |
またお弁当作ってきてもいいですか |
| [07:47.740] |
次も喜んでいただけるよう頑張って作りますから |
| [07:53.950] |
今度はどんなのにしようかな |
| [07:56.840] |
楽しみにしててくださいね |
| [08:05.080] |
そういえば 才人さん |
| [08:06.680] |
こんなことも教えてくれましたよね |
| [08:10.060] |
あなたのいた国では女の子が好きな男の子に |
| [08:13.610] |
思いを付ける特別な日があるって |
| [08:25.950] |
あっ ごめんなさい |
| [08:28.390] |
こんなところに呼び出したりして |
| [08:31.090] |
えっと その 用というのはですね あのう |
| [08:38.870] |
やっ やっぱりいいです さようなら |
| [08:43.440] |
って ダメダメ 何してんのよ私 |
| [08:46.720] |
ここで帰ちゃったら意味ないでしょう |
| [08:50.160] |
ということで才人さん今日は何の日がお分かりですか |
| [08:57.220] |
そんな 知らないなんて |
| [08:59.970] |
意地悪言わないでください |
| [09:02.520] |
本当は分かってるくせに |
| [09:09.640] |
これ チョコレートです 今日は特別の日ですから |
| [09:16.010] |
本当は学校で渡そうと思っていたんですが 恥ずかしくて |
| [09:21.870] |
昨日の夜一生懸命作ったんです |
| [09:25.540] |
あなたの顔を思い浮かべながら |
| [09:31.560] |
私の思い受け取ってくれますか |
| [09:44.650] |
それから私たちは |
| [09:46.590] |
お休みの旅に二人でお出かけするようになりました |
| [09:50.760] |
夏の暑い日には 二人で海に行って |
| [09:54.310] |
お待たせしました |
| [10:03.560] |
着替えに行って惑ってしまって |
| [10:07.390] |
何ですか |
| [10:08.940] |
水着が見えない |
| [10:11.310] |
なんで上にもう一枚を着てるのかって |
| [10:15.020] |
それはそうですよ |
| [10:16.880] |
だって 恥ずかしいんですもの |
| [10:19.080] |
だから 恥ずかしいんです |
| [10:23.800] |
だって あなたに水着を見られるの |
| [10:27.490] |
初めてなんですから |
| [10:30.540] |
見たいですか |
| [10:33.260] |
どうしても |
| [10:36.230] |
じゃあ ちょっとだけ ほんの一瞬だけですよ |
| [10:43.380] |
えい はい おしまい |
| [10:45.320] |
なっ 何怒ってるんですか |
| [10:47.240] |
あっ いっ 嫌だ |
| [10:48.300] |
引っ張らないでくださいってば |
| [10:50.340] |
ダメです 上着はねけちゃいますよ |
| [10:53.780] |
あー 返してください 恥ずかしいです |
| [10:59.100] |
ダメですよ 似合ってるなんてお世辞言っても |
| [11:03.310] |
よーし こうなったら へい どうですか |
| [11:10.510] |
エッチな人にはお仕置きです |
| [11:14.750] |
あー もう やりましたね お返しです |
| [11:30.910] |
そして 秋の夜には二人でお祭りに |
| [11:43.050] |
ふわー すごい人ですね |
| [11:46.170] |
これだけ人がいると逸れると大変ですね |
| [11:51.120] |
あのう 手を 手を握ってもらってもいいですか |
| [12:01.330] |
うー 照れちゃいます |
| [12:02.870] |
だけと 迷子になった大変だし |
| [12:05.980] |
せっかく二人で来たんですから |
| [12:08.400] |
離れ離れにならないようにって |
| [12:13.820] |
ありがとうございます |
| [12:16.650] |
その 離さないでくださいね |
| [12:21.060] |
これからもずっと |
| [12:24.920] |
いえ 何でもありません 何でも |
| [12:31.540] |
ふわー きれい 私今日のこと忘れません |
| [12:42.350] |
今日 あなたと二人で花火を見たこと |
| [12:48.460] |
手をつないで歩いたこと 私一生忘れませんから |
| [13:02.900] |
そして冬 粉雪の舞う頃 |
| [13:15.100] |
はあー わー 息が真っ白 もうすっかり冬ですね |
| [13:24.780] |
はあ くしゃみなんかして |
| [13:26.900] |
もしかして風ですか |
| [13:30.760] |
ダメです そんな強がり言って |
| [13:34.340] |
はい どうぞ |
| [13:36.280] |
私のマフラー使ってください |
| [13:39.530] |
あっ 私は大丈夫です |
| [13:42.270] |
だって ほら こうしてくっついていれば |
| [13:47.600] |
寒くなんてありませんから |
| [13:52.180] |
あなたの体とてもあったかいです |
| [13:58.120] |
あのう ね 私 子供の頃から夢だったんです |
| [14:06.700] |
真っ白な雪が降る中を |
| [14:09.910] |
大好きな人と二人寄り添って歩くのが |
| [14:15.380] |
大切な人と一緒に歩くのが |
| [14:20.650] |
そして 私の大切な初めてのキスを |
| [14:33.540] |
あなたにもらってほしい |
| [14:44.030] |
はお いっ 嫌だ 私たら つい夢中になってしまって |
| [14:50.790] |
ごめんなさい |
| [14:52.230] |
でも 才人さんと同じ国に生まれていたら |
| [14:55.780] |
きっとこうなったと思います |
| [14:58.220] |
だって 私にとって これは運命の |
| [15:02.590] |
って あら 才人さん |
| [15:08.230] |
いない |
| [15:10.510] |
一体いつの間に |
| [15:13.160] |
もう 何でどこにもいないの |
| [15:16.520] |
だから 僕に聞くなよ(あれはミスヴァリエールと) |
| [15:18.940] |
えっ 才人さん |
| [15:21.230] |
そんな どうして |
| [15:23.270] |
今まで私と一緒にいたはずなのに |
| [15:25.840] |
しかも あちらの才人さん何だか幽霊見たい |
| [15:29.880] |
体透けて周囲浮いてる(…魔法を使ったせいだろう) |
| [15:34.510] |
(そのせいで私の心と体が分離しまったじゃないか) |
| [15:36.190] |
へー 心と体が分離(ご主人さまにそんなこといっていいの) |
| [15:39.990] |
私は別に あんたに元に戻らなくても構わないんわだよ |
| [15:44.540] |
いい それは勘弁してください |
| [15:47.840] |
だったら さっさと体を覚ましなさい |
| [15:55.560] |
才人さんの心と体が |
| [15:56.240] |
それじゃ |
| [15:57.260] |
さっきまで私が話していたのは もしかして |
| [16:07.310] |
今回はここまで タベサ篇につづくわよ |