[00:00.00] |
素直な気持ち |
[00:01.95] |
「はあ~また図書館にいる!」 |
[00:04.72] |
こうやって彼女を図書館で見つけていろいろな話をする。それが僕の日課となりつつある。でも、それもあと少し…校内では卒業制作の追い込みをしている人を見かける。 |
[00:27.24] |
「今日はお願いがあるんだけど…大丈夫、変なことじゃないから。ね?お~ね~が~い。えへ?いいの?ありがとう~僕が手取り足取り教えてあげるから、資料集め手伝ってほしい。あれ?なにも言ってくれないの?そんな顔で見つめないでよ~そんな顔しても可愛いって思うだけだよ。」 |
[01:01.36] |
「実は僕、書道教室の先生のアルバイトしてるんだ。意外でしょ?ほぼ毎日授業があるから、学校の勉強をする暇はない。遊びにも深夜しか行かないし。単位を取るために、いままで必死で頑張ってきたけど、最後の課題の資料がどうしても見つからないんだ。君なら、図書館詳しいでしょう?だから、ねぇ~お願い~一応自分で集めた資料だけノートに書き出して見たんだけど…どうかな?」 |
[01:39.68] |
「ん?字が綺麗だって?それしか取柄ないからさ。僕の家ね、父親が書道の先生なんだ。だから小さい頃から厳しくしつけられてきた。特に、字は人の心を映す鏡だって言われてきたから。って、こんな話、聞いてもつまらないだろ?こんなことを手伝わせてごめんね。ありがとう。ねぇ、手伝ってくれたご褒美はなにがいい?」 |
[02:18.65] |
『いで如何にここだはなはだ利心の失せなむまでに思ふ恋ゆゑ』 |
[02:30.33] |
彼女のことを考えすぎて、自分が分からなくなる。僕の気持ちはいつ君に届くのだろうか。 |
[02:42.87] |
君にだけは僕の素直な気持ちを話せる。ほかの誰にも言えないことも…友達以上の気持ちが積っていく。卒業式なんか来なければいいのに。まだ君に話せていないことがたくさんある。 |