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この片倉小十郎 伊達に竜の右目と呼ばれてはいねえ |
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俺たちはただじゃ朽ちねえ。己が生きた証を必ず残す。 |
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たとえ形などなくてもな—— |
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初陣以来、片時も離れたことのない右目も、ここにおりますれば。 |
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もっとも、近頃はあなた様をお諫めするばかりでしたが… |
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背中の守りはこの小十郎にお任せください |
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あれは——あなた様が、死ねない、 |
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決して死んではならないお立場にあられることを |
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全身全霊をもって実感した瞬間に他なりません。 |
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あれこそ、民の命、その誇り、すべてを一身に背負う者 |
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一国の主(あるじ)の姿にござります |
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政宗様、撤退のご指示を!あれだけの数の飛び道具、 |
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まともに相対せば全滅は必定! |
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屈辱は、この小十郎が分かち合いまする! |
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家臣は大事…しかしながら一番の大事は、政宗様の御身 |
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この小十郎、お諫めすることも、お守りすることも相成らず… |
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その思いを常に重んじることは—まだ若いあなた様を、 |
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死に逸らせるだけなのかも知れませぬ… |
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何も恐れず…いつ如何なる時も、ただ前だけを見て進んでいただく— |
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そして、その背中はこの小十郎がお守りする。 |
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そう誓っておりましたが—— |
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今、手負いのあなた様を、出陣させることだけは。 |
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この命に代えても… |
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明智光秀… テメエのやり口、ひとつ残らず許せねえ…! |
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あの世で、政宗様の天下取りを見物してな |
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そこらの軍と一緒にするんじゃねえ。 |
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伊達には雑兵なんざ一人もいねえんだよ |
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だからこそ、覚悟はできてるものとして——時には見捨てもする |
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ここはそいつらの死に場所じゃねえ 一人たりとも無駄死にはさせねえ。 |
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それが伊達の流儀。そして政宗様のご意思 |
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覚悟はできてるぜ。この片倉小十郎、たとえ両目を抉られようとも、 |
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竜の右目の二つ名を棄てるつもりはねえ…! |