[00:00.89] |
白椿 |
[00:01.26] |
生徒会の後輩たちが開いたクリスマスパーティーに俺は呼ばれていた。楽しい時間をあっと言う間に経ち、明日から冬休みと言うことで、みんな早目に解散を始めていた。 |
[00:16.73] |
彼女と一緒に帰る約束をしていた俺は、彼女が教室に忘れものを取りに行っている間、一人で待っていた。 |
[00:28.07] |
「遅いなぁ~あいつ……なかなか戻ってこない。飲み物買ってるのか?でも、それにして遅すぎるだろう。ちょっと見てくるかぁ……」 |
[00:59.05] |
「はあ~廊下は寒いなぁ~ん?あいつ……あんなところで何やってるんだ?」 |
[01:11.15] |
体育館横の垣根を見つめている彼女を見つけた。 |
[01:16.98] |
「おい!そんなところでなんにやってるんだ?どうした?なかなか帰ってこないから迎えに来たんだぞ。」 |
[01:28.68] |
彼女はこれっと垣根を指差した。その方向を見ると、地面に一つだけ白い椿の花が落ちていた。 |
[01:40.58] |
「あぁ~椿か……椿の花は綺麗に咲いたまま落ちる。この落ちてる花も寿命が分かったから、自分で落ちたんだろう。」 |
[01:54.18] |
「可哀相?んん、そうだなぁ~でも、こうしてやれば、この椿はまた綺麗に咲くことができる。ほら、こうやって、お前の髪に飾るは咲いてるみたいだろう。お前に白い椿はよく似合う。綺麗だ。」 |
[02:23.45] |
「な~今、俺が考えてること、分かるか?」 |
[02:31.06] |
「分からない?お前わざとじゃないよな。ま、いや、教えてやるよ。お前のキスがほしい……」 |
[02:47.00] |
「ふう~ずっとこうやってお前とキスしたかった。ようやく夢が叶ったよ。どうした?」 |
[02:59.80] |
「恥ずかしい?ふう~大丈夫、照れてるお前も可愛いよ。」 |
[03:09.43] |
---青山を 横切る雲の いちしろく 我れと笑まして 人に知らゆな--- |
[03:20.31] |
人目につくように貴方と微笑みあっているのが、人に知られませんように…… |
[03:29.83] |
この先もずっとこうして彼女を抱きしめていたい。ようやく会えた俺の運命の人を、もう放したくない……俺は、ずっと心の中でそう願っていた。 |