[00:01.18] |
ずっと会いたかった |
[00:04.13] |
外はもう真っ暗で、街灯の明かりが寂しそうに道を照らしている。彼女は少し後ろから、俺に呼びかけた。振り返ると、少しの間があって、彼女は全部思い出したと呟いた。 |
[00:26.11] |
「それって、どう言う意味だ?全部って……」 |
[00:30.09] |
彼女は父親の転勤で、一時期雪が多い地方に住んでいた。友達が近所にいなくて、よく近所のおばあさんの家に行っては、一緒に遊んでもらっていたある日、彼女は俺を見つけた。 |
[00:52.11] |
見たことのない子だったが、困っていたので、雪だるまを作るのを一緒に手伝った。時間を忘れてっ手伝っていたが、不意にあたりが暗くなっていることに気づいた。 |
[01:06.37] |
その時、俺と指きりを交わした。しかし、その後すぐに父親の転勤が決まり、その町から出て行ったそうだ。 |
[01:19.27] |
「やっと、思い出してくれたんだな。俺は……お前にずっと会いたかった!ずっと会いたかったんだよ!」 |
[01:36.83] |
---近江の海 辺は人知る 沖つ波 君をおきては知る人もなし--- |
[01:46.51] |
私がどう言う人かはみんな知っている。でも、内面に隠された激しさは、貴方以外知らない。 |
[01:58.20] |
いろいろな気持ちが溢れてきても、言葉にできなくて、俺は、手の中にある椿のプローチを……ずっと見つめていた。 |