| [00:01.032] |
届け届け 君へ繋がれ |
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あの日の約束刻み 夜を駆けて |
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彼女の姿を消してから数日 |
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クロナは睡眠をとることすら忘れ街の中を駆け回った |
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けれど確たる情報は掴めないままに |
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行き交う人の群れへ手当たり次第に |
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ただ無心に尋ね彷徨う |
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似通う姿を見かける度 希望が |
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生まれては消えていく その繰り返し |
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唯一の手掛かりは最後に交わした |
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行き先告げる君の言葉だけ |
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未だ踏み込めぬ礼拝のその地に |
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糸口見出せる そう信じたくて |
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響く響く 嘆声は空へ |
| [02:14.492] |
心の悲鳴が波紋となり拡がる |
| [02:20.944] |
早く早く この身を清めて |
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一歩でも君に近づけるのなら |
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遂に訪れた洗礼の朝、あの日門の前で見た顔ぶれが集まり始める中で |
| [02:53.702] |
ふと一人の少年が足を止め少女の顔覗き込む |
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「ねぇ君、大丈夫? すっげえ顔色悪いよ。どこかで休んだ方が……」 |
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思えば彼女がいなくなってから眠ることすら忘れていた |
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見ず知らずの少年にも分かるほど酷い顔をしていただろうか |
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そう考えながらクロナは口を開く |
| [03:20.608] |
「大丈夫」そう答えようとした刹那 |
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視界は揺らめいて |
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次第に霞む意識 遠退く彼の声 |
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視界は白に塗りつぶされ |
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早く彼女を迎えに行かなくては |
| [03:44.745] |
心はざわめくのに何故動けない? |
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髪撫でる春風は君の手に少し |
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似ているなんて夢の中思う |
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優しい木洩れ日に促されるよう |
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見知らぬ部屋の中 ふと目を覚ました |
| [04:16.484] |
ふわり笑い 少年は告げる |
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"おはよう よく眠れたようで何よりだ" |
| [04:29.414] |
その姿に全て思い出す |
| [04:35.631] |
私には成すべき事があると |
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こんなことしてる場合じゃない——! |
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「ちょ…まだ動いちゃ駄目だよ!自分が倒れたて覚えてないの」 |
| [04:50.861] |
「でも!でも、私はどうしても洗礼を受けなきゃならないと!そうじゃないと、私は…」 |
| [04:57.391] |
「落ち着いて、洗礼なんてもう今から行っても間に合わないよ!」 |
| [05:01.884] |
「何があったら知らないけど、俺で良かったら話してみて、ね?」 |
| [05:26.204] |
ぽつりぽつり 言葉を紡いで |
| [05:32.813] |
堪えきれなかった涙が溢れ出す |
| [05:42.191] |
痛む痛む あの日から消えぬ |
| [05:48.905] |
心の空洞は何で埋めればいい? |
| [05:55.305] |
早く早く少しでも早く |
| [06:01.705] |
会いたいと願う気持ちをぶつけた |
| [06:12.441] |
「そうか、事情は分かた。ここであったのも何かの縁だし、俺も君の親友探しに付き合うよ」 |
| [06:20.591] |
「え?うん、でも……」 |
| [06:23.439] |
「一人より二人の方がずっといいだろう。また倒れても困るし、洗礼をすっぽかした者同士、仲良くしようぜ」 |
| [06:32.347] |
「俺はキーリア、よろしく、ええと……」 |
| [06:36.448] |
「私はクロナ、巻き込んじゃてごめなさい」 |
| [06:42.090] |
「その……よろしくね」 |
| [06:47.236] |
得られる情報に心当たりがあるわけじゃない |
| [06:51.181] |
けれどこの出会いはなぜだかとても心強く思えた |